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香害:化学物質過敏症患者を守る。、農薬、柔軟剤,合成洗剤の禁止し有害化学物質の無い世界を。

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香害、化学物質過敏症の無料相談 【クレッシェンドフォルテ】  の日記

香害被害者を「障害者差別解消法」で守る自治体も出てきた

2019.06.17

香害被害者を「障害者差別解消法」で守る自治体も出てきた
 
 
https://diamond.jp/articles/-/181851
 
 
【企業が意見広告で 香りつき商品は必要か?と問いかけ】
 6月5日、『朝日新聞』と『毎日新聞』に目を見張るような全面広告が載った。
シャボン玉石けん(本社・北九州市)の1ページ全面を使った意見広告だ。

 紙面は、柔軟剤と思われるボトルから煙がもくもくと出ているイメージ画像が背景にある。
『日本に新しい公害が生まれています。その名は「香害」』と大きな活字。
その下に「(前略)エチケットのつもりでつけていたあなたの服の香りが、だれかの健康を奪っているかもしれない。そこまでして、香り付柔軟剤や香り付洗剤を使う必要はあるのか。(中略)シャボン玉石けんは、あなたに問いたい」と続く。

 4日後の9日には両紙の朝刊に全面意見広告の第二弾が載った。
「学校がくさくて、(中略)みんなくさいふくをきて、学校に来てるから、ますます学校に行けなくて、こまってます」という小学生の手紙の写しがが掲げられ、「香害を知ってください」と大書されている。

 意見広告は大きな反響を呼び、ツイッターなどには「断固支持する!!」「強いメッセージを発してくれて、ありがとうございます」などの声が続いた。この意見広告を議会での質問に使った地方議員も少なくない
新聞記事では、『北海道新聞』生活部の岩内江平記者による「化学物質過敏症 誰もが発症の恐れ 救済急げ」(昨年6月25日)など5本の記事が、実態をよく伝えている(注1)。
(注1)9月に出版された『香りブームに異議あり』(ケイト・グレンヴィル著、鶴田由紀訳)と『シックスクール問題と対策』(加藤やすこ著)も、香害の理解を助ける。
前者は、香料で頭痛が起きるようになったオーストラリアの作家が、香料の危険性を徹底的に調べ、読みやすい文章で書きおろしたもの。
やはり香害被害者である訳者は、あとがきで「被害者は声を上げよう」と呼びかけている。

【家庭での香料使用に配慮を 教育長が保護者に要請】
 こうしたメディアの報道などで香害に対する理解が広がる中で、学校現場や自治体で実効性のある取り組みも増えている。

 長野県安曇野市で今年7月下旬、市内の10小学校(児童総数約5000人)と7中学校(生徒総数約2700人)の保護者全員に、「香料についてのお願い」と題する教育長からの文書が配られた。
 文書は、近年、子どもたちが外界のさまざまな刺激に拒否反応を示し、学習に集中しにくい状況が生まれているが、香水・整髪料・柔軟剤・洗剤・シャンプー・制汗剤などに含まれる香料によって、頭痛・吐き気などの不快症状を訴える児童が出てきたことがその一つだと指摘する。
 学校では積極的に換気を行なうなどしているが、家庭での香料などの使用や来校のさいには配慮をお願いしたいという内容だった。
 北アルプスのふもとに位置する同市では、小林純子市会議員(無所属)が6月議会で「香害」を取り上げ、とくに成長期の子どもにとって柔軟剤の使用は要注意であり、国の規制を待つ間にも被害が広がる恐れがあるとし、市の対応を求めた(注2)。

 これに対し、教育部長が「保護者や業者など来校される方へ呼びかけるポスターを学校の玄関に掲示すること」と「保護者向けのチラシを作製・配布すること」を検討すると答弁。その一つをさっそく夏休み前に実施したのだ。

 多くの自治体が実施する香害対策の定番は、「過敏症などに関する情報のサイト(ホームページ)への掲載」と「使用自粛を呼びかけるポスター作製」だ。
 だがサイトを見るのは関心のある人に限られるし、ポスターも多くの人の目に留まる場所に掲示されるとは限らない(県が作製して市町村に配布したが、そのまま倉庫に眠っていた例もある)。
「学校だより」や「保健だより」で、注意を喚起している自治体もあるが、安曇野市のように教育長が直々に保護者に要請すれば、保護者も重く受け止めるに違いない。

またポスターが学校の玄関に掲示されれば、いやでも来校者の目に留まるだろう(注3)
(注2)安曇野市では、柔軟剤などのニオイに不快感を示す児童・生徒が5人、教職員1人が報告されているだけで、消費生活センターへの相談はないという。しかし小林議員には「ニオイの感じ方には個人差もあり、健康被害だとは言いにくい」などの声が寄せられており、被害が表面化しにくいのが現実のようだ。

(注3)給食当番が着て、週末に当番の子の家庭で洗濯する給食着をめぐり、強い柔軟剤臭が各地の学校で問題になっている。  
これについて日本石鹸洗剤工業会の繁田明・広報部長が最近、「(柔軟剤は)共有で使う給食着には用いない方がいいかもしれません」という見解を示した(8月21日付け『読売新聞』の「発言小町」欄)。
学校関係者はこの見解を踏まえ、早急に給食着の洗濯方法を見直すべきだろう。

【化学物質過敏症の人は 「障害者差別解消法」の対象】
 宮城県名取市も、一歩、踏み出した。
 仙台市の南に隣接する同市では、斎(さい)浩美市会議員(共産)が3月議会でこの問題を取り上げ、まず過敏症はアレルギーとは別の、病名登録され、健康保険が適用される病気であることを確かめた

 さらに過敏症が「障害者差別解消法」の対象になることを市側に確認させ、山田司郎市長から「しっかり啓発していきたい」との答弁を得た。
 障害者差別解消法(2016年4月施行)は、障害のある人もない人も互いにその人らしさを認め合いながら、ともに生きる社会をつくることを目的に制定された。

 国・自治体や会社・商店などに対し、正当な理由なく障害を理由として差別することを禁止するとともに、障害のある人から社会の中のバリアを取り除くため何らかの対応を必要とするとの意思を伝えられた時には、負担が重すぎない範囲で対応するよう求めている。
 過敏症患者がこの法律の対象に含まれることは、昨年2月の高橋千鶴子衆院議員(共産)の質問への政府答弁で明らかになっていたが、名取市はそれを改めて確認したわけだ。
 過敏症患者はこれを根拠に、災害時の避難所や通学する学校で特別な対応を願い出ることができる。
 名取市は5月、担当部局の幹部と市会議員が、地元の患者団体「みやぎ化学物質過敏症の会~ぴゅあい~」の佐々木香織代表から説明を受けて動き出した。

まず市のサイトの健康センターの項目に「香害と過敏症」の説明を掲載し、過敏症の人から相談があった時は専門医や患者団体を紹介することにした。
また、ぴゅあいが申請した4回の連続講座を「生涯学習グループ自主企画講座」に採用した。

 連続講座は10月から来年2月にかけ、勉強会、講演会、映画『いのちの林檎』の上映会を開き、過敏症の認知度向上と正確な知識の普及をめざす。

 ぴゅあいはいくつかの事業を来年度の市の協働事業にしてほしいとと申請している。
 佐々木代表は「行政と協働し、この問題に理解ある地元企業の協力も得て、名取市を、発症者を増やさない、発症者もそうでない人も共生できる地域にしていきたい」と話している(注4)
 以上、二つの自治体の事例を紹介したが、「香害」をなくしていこうとする取り組みは、各地で始まっている(注5)。そうした取り組みが活発になることを期待したい。

(注4)協力企業は、合成洗剤も柔軟剤も使わないモハンクリーニング(本店・仙台市太白区)と、室内の空気質にこだわった住宅を造る大東住宅(本社・同市宮城野区)。

(注5)愛知教育大学付属岡崎中学校(愛知県岡崎市)では9月、1年家庭科の追求学習のテーマに香害を取り上げた。
生徒たちは資料調べと討論の後、グループに分かれ、過敏症患者へのインタビューや街頭でのアンケートをして理解を深めた。

(ジャーナリスト 岡田幹治)

香害被害者を「障害者差別解消法」で守る自治体も出てきた

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